特集 ピンクリボンin郡山


二瓶 光博先生よる講義
 「乳がんについて正しい知識を身につけよう」
   日時:2012.10.21(日)
   午前(10時開場、10時10分~11時45分)
   場所:郡山市駅前ビック・アイ7F 他

 ー 専門医による講義 ー
   検  診          二瓶 光博先生
                (日本乳癌学会専門医)
   診  断          松嵜 正實先生 (同)
   治  療          片方 直人先生 (同)
   患者さんから学ぶ   野水 整先生  (同)

 さまざまなイベント会場を設けて、継続的に乳がんの啓発活動を展開している「ピンクリボンin郡山」は、2012年10月のイベントで4回目を迎えました。 今回は、あけぼの会会長のワット隆子さんによる特別講演のほか、乳がんの検診、診断、治療などに関する専門医の講義、保健衛生協会の保健師による 乳がん検診自己触診診断指導、ゲストコメンテーターに赤須太郎さん(余命一ヶ月の花嫁)をお迎えしての乳がんなんでも質問コーナーがビック・アイ7F大会議場で開かれました。 さらに、乳がん看護認定看護師の藤田由紀さんを中心とするおしゃべりカフェや乳がん患者さんのためのさまざまなブースが設けられたほか、サテライト会場や特設会場でのイベントも開催され、 各会場の延べ人数は1000名を超える大きなイベントになりました。
 今回は、ピンクリボンin郡山の実行委員長である公益財団法人星総合病院 乳腺外科の 野水整先生と、乳がん認定看護師の藤田由紀さんに、会場でお話を伺うことができました。 また、イベントへ参加した男性参加者の方からも、貴重なお話をお伺いしました。是非、男性の読者の方にもご覧いただければ幸いです。

   日本乳癌学会専門医 公益財団法人 星総合病院
   乳腺外科 病院長代行 野水 整 先生


4回目のイベントを迎えられて、どのようなお気持ちでしょうか
 よく今回まで継続できたなと思います。その理由には、実際にイベントを企画してくれるメンバーが集まるかどうかという不安がありました。前回までは私が全ての企画を考えていたのですが、今回はワーキンググループという女子会のメンバーが一生懸命アイディアを出しながらサポートしてくれました。 また、本イベントを開催するにあたり、地元企業、医師会の先生方、医療関係企業などからご支援をいただき、今回もこのような規模で開催することができました。

受診率が上がらない理由をどのようにお考えですか

 最近では、予約による検診を行う病院が増えています。そのような医療機関に予約の電話を入れたとき、例えば「予約がいっぱいです」「空いているのは2ヶ月先です」と言われてしまうと、せっかく受診する気持ちでいてもそこでやめてしまう人もいるのです。 このような問題を解決していくためには、できるだけスムーズに受診できる体制を整える必要があり、それが我々の責任としてあると思います。ですから今後は、乳がんの診療を一生懸命やってくれる医師が増え、対応する病院側の考え方も良い方向に変わっていくように努力していかなければいけないと思います。郡山市には、乳腺専門医が4人います。そしてその全員が我々のチームです。日々の外来診療は目一杯の状態ではありますが、それでも患者さんからの急な相談にも早めに対応ができるように努力をしていきたいと思います。

受診を考えている方へメッセージをお願いします

 乳がんをまだまだ他人事のように思っている方がたくさんいるのではないでしょうか。でも決してそうではありません。乳がんは、定期的に検診を受けることが大切です。それにより、もし異常がみつかっても早い段階に治療を開始することができ、小さな手術で済む場合も多く、治る確率が高くなります。ですから、もっと気軽に検診を受けてほしいと思っています。
 それから、このような啓発イベントに参加してくださる方の中には、乳がんの闘病生活を悩みながらも乗り越えた人、再発がなく克服した人、あるいは再発を経験した人など、さまざまな思いを持った方々もいると思います。そのような皆さんが、今度はボランティアになり、新しい患者さんを勇気付けるような支援をしていただければ、乳がんに対する啓発の輪はどんどん広がっていきます。そしてその中で、もしできることであれば「私はこういう経験をしたから、周りの人には定期的に検診を受けてほしい」ということを伝えていっていただければと思います。



   乳がん看護認定看護師 藤田 由紀さん

 検診を受けに来た人や、乳がんの治療を受けられた人の話を聞くと「今まで自分の周りに乳がんになった人や検診を受ける人がいなかったので、私自身も受けたことがありませんでした」という人が多くいます。ピンクリボンキャンペーンin郡山に来場される方は、乳がんに関心を向け積極的に参加してくださっています。でも、罹患率が多い年代の方でも、あまり関心がない方もいるようです。ですからイベントに参加した方々から、講演で聞いた話や体験したことを、どんどん周りの人たちにお話していただいて、次回はぜひ一緒に参加していただければ嬉しいです。
 また、検診に関して、マンモグラフィ検査に対するイメージだけで、それを敬遠される方がいます。しかし、そのようなことで病気の発見が遅れることは、絶対に起こらないようにしなくてはいけません。 マンモグラフィは、女性の身体の周期により乳腺がやわらかく、しこりが触れやすい時期があります。そういうときに、検診を受けていただくと、痛みの感じ方もだいぶ変わってくると思います。 イベントでは、マンモグラフィ検診バスの見学も行っていますので、そのようなイメージを変えるためにも、積極的に活用していただければと思います。さらに、検診を受診した経験のある方が、周りの皆さんを巻き込んで一緒に検診を受けていただけるとありがたいなと思います。


ピンクリボンの意味をご存じでしたか?

Sさん はい、ピンクリボンのマークを見たことがあったので知っていました。イベントへの参加は初めてで、今回は仕事の関係で参加する機会をいただきました。
Tさん 私も参加のきっかけは同じですが、ピンクリボンの意味や、このようなイベントがある ことを初めて知りました。

K さんは、前年度イベントに参加されたそうですが?

Kさん はい。今回は参加できませんでしたが、昨年は、講演を聞いたりピンクリボンバスを見学したり、各会場を見て回りました。先生方のお話を聞くことで、乳がんに関する知識がとても深まりました。

前年度に参加されたときは、何か参加に至るきっかけなどがあったのですか?

Kさん テレビで「余命一ヶ月の花嫁」のドキュメント番組を見たことがきっかけでした。それで乳がんが早期発見なら助かっていたかもしれないということを知り、正しく病気を理解することが大切だと思ったのです。このような文化的な要素というか、うったえかけるような要素から受ける影響力は大きいですよね。

S さんはご家族をお持ちですが、周りに乳がん検診を受けられたことがある方はいますか?

Sさん 私の奥さんはまだ受診したことがないようです。周りには検診クーポンが来ている年代の方もいますが、それでも受診していないという話を聞いたことがあります。今回の専門医による講演で、乳がんは女性の一番忙しい年代に罹患率が高いというお話がありました。しかし日常生活の忙しさの中でどうしても自分のことは後回しになってしまうことがあるのかもしれません。例えば、病気にかかるなど自分自身に何かあれば受診しようと思うかもしれません。それでは遅いと分かっていても…、という方も多いのではないでしょうか。ですからまずは病気に関心を持ってもらえるような機会がもっと増えれば良いのかなと思います。
Tさん そうですね。乳がんは特に女性に多い疾患であることからも、男性の場合はそこに関心を向ける機会がなかなかないんですよね。でも実際にイベントに参加してみると、専門医の先生方から正しい知識を学ぶことができてとてもためになりました。そして女性に対する理解が深まったと思います。
Sさん 病気への理解が深まることで乳がん検診の大切さがよく分かりましたよね。それにTさんがおっしゃったように、このような話は男性の立場でもすごくためになることですし、女性に対する理解が深まったことで奥さんや家族と一緒に参加するような形があっても良いなと思いました。やはり、専門の先生方のお話を直接聞ける機会はめったにありませんし、そこにはすごく説得力がありました。しかもそれが自分の身体のため、大切な家族のためになる情報であるのですから、たいへん貴重な時間だと思います。
Kさん 男性のそのような声が聞けると心強いですね。例えば参加した皆さんが、そこで得た情報などを次々と周りの人たちに伝えていくような形で、このようなイベントや乳がん検診の大切さが広まっていけば良いですね。
Sさん そうですね。なかには自分は大丈夫だという過信がある人もいるのかもしれないですが、そういう人たちや子育てで忙しい人たちにも、このようなイベントの情報が発信されるようになれば良いかもしれないですね。

S さんは、マンモグラフィバスを見学されて、マンモグラフィ検診の体験もされたそうですが?!

Sさん











Tさん

Sさんによる体験写真
最初は、仕事の関係でバスの中の見学をお願いしました。中にいる検査技師さんには、あまり男性の見学者がいないようで、驚かれました。そこで、技師さんから「せっかくなので是非体験して行ってください」というお話をいただいたのです。体験方法は、女性の身体の模型(乳房モデル)を付けて、その模型の乳房を機械に挟んで圧をかけるかたちです。もちろんそれで痛みを感じることはありませんが、初めて検査を受ける女性の戸惑いが少し分かったような気がしました。このようなきっかけがあったことで、実際の検診がどのように行われるのかを知ることができましたし、技師さんがいろいろ教えてくれたので、貴重な経験になりました!

私は、バスの外で待機していましたが、そこで体験される行動力は素晴らしいですね!

Kさんは、イベントに男性が参加することに対してはどう思いますか?

Kさん 知らない男女が一緒に検診バスの中で話を聞くとなれば少し抵抗があるかもしれません。でも旦那さんなどが一緒に見学してくれたら心強いと思います。それから、イベント参加している男性を見ると「きっとこの方には大切な女性がいるんだな」とか「大切にしたい家族がいるからこそ関心をもって来ている理解のある優しい男性だな」と良い印象を持ちますね。

Kさんの旦那さんは検診などへの理解はありますか?

Kさん 私が「検診に行っておこうと思うんだ」という話をすると、「是非それは行っておいで」という感じで背中を押してくれます。そういうのは必ず受けておいたほうが良いと思っているようです。
Tさん まずは女性に多い病気というのがあるので、例えばKさんのように女性の意識がそこに向いていると、男性もフォローがしやすいですね。
Sさん 私は子供がいるので、学校教育という観点からはどうなのかが気になります。今は学校で子宮頸がんのワクチンなどの話がありますので、乳がんに関しても知識を広げる機会が今後できれば良いのかもしれませんね。
Kさん そうですね、それは良いですね。
医療人 そのような知識向上の機会の増加とともに将来の予防ワクチンなどにも期待がありますね。

Tさんの場合は、同世代の女性はまだ罹患率が高いといわれる年代ではありませんが、このようなイベントへ参加してみていかがでしたか?

Tさん 一人でも多くの人にこのようなイベントに参加して欲しいと思いました。私自身、今回初めて知ったことがたくさんあります。乳がんが今こんなにもありふれていること、検診への抵抗から受診を遅らせ病気を進行させてしまう方がいること、そして早期発見による生存率の高さも理解することもできました。若い世代でも男性でも、このような知識があればあるほど大切な家族や女性に優しくできると思います。私も自分の参加経験を積極的に伝えて行きたいと思います。

Sさんはご家族をお持ちの立場からイベントに参加していかがでしたか?

Sさん ちょうど最近奥さんが体調を崩すことがあったんです。そのとき、仕事をしながら子供の世話や食事の用意、掃除、洗濯など家事全般を行いました。普段から多少は家事を分担していましたが想像以上にたいへんでした。そこで普段から全てこなしている奥さんに対して改めて感謝しました。
元気でいるときは病気を意識することがあまりないですし、例えば乳がんのように罹患率が増えている病気があると知っても、自分の周りは大丈夫だろうという意識がどこかにあります。でもいざ病気が起きた時、過信した気持ちがあることで病気を進行させてしまうことになるのかもしれないですね。乳がんは女性に多い病気とはいえ、男性が何も知らないでいることはいけないということが分かりました。知っていれば何かあったときにすぐ対応ができます。ですから男女関係なく正しい情報をみんなが知っているべきだと思います。そして、できればそれを教育という場で早い時期から意識付けできるような環境があれば良いと思います。今回は郡山市のイベントでしたが、このようなイベントを知らない人がいることがもったいないです。今後県内各地で開催されるようになれば良いなと思います。大切な家族にはいつも健康でいてほしいと思うからこそ、必要な健診はしっかり受けることが大切だと思うようになりました。


乳がん早期発見の為、40 歳以上の女性に対し2 年に一度の偶数年に乳がん検診を実施。平成21 年度からは、偶数年に検診を受けられなかった方に対しても、奇数年の受診券を発行し受診率の向上を図っている。また40 歳~60 歳の5 歳刻みの女性の方には検診手帳と検診費用が無料となるクーポン券を送付し、検診の受診を促すとともに、正しい健康意識の普及・啓発に努めている。郡山市での実施は現在、マンモグラフィ装置のある施設で写真を撮り触診をする、一施設同時での方法がとられている。
(乳がん検診に関する情報)


 イベント会場を訪れる参加者の皆さんは、ほとんどの方が女性です。確かに「乳がん=女性の病気」というイメージも強く、実際に男性の乳がんは非常に少ないといわれています。しかし、これだけ乳がんの罹患率が高くなり、本誌で乳がん体験者の皆さんや((県民ボイス)乳がん検診の大切さ)参加者の皆さんの声を聞くと、男性の理解が大きな支えになることを強く感じます。もし身近な女性が乳がんになったら。もし大切な家族が乳がんになったら。さまざまな場面を思い浮かべることで、乳がん検診への意識が変わり、支える立場になる方の理解も深まるかもしれません。
 今回は、ピンクリボンin郡山2012の実行委員長 野水整先生、乳がん認定看護師の藤田由紀さん、そしてイベントに参加した男性にもお話をお伺いすることができました。先生方の声や貴重な体験談をお話いただいた皆さんの想いが、一人でも多くの方へ届くように今後も本誌から発信していければと思っております。

インタビュアー : 星 奈美子








  ピンクリボンin郡山2011記事
  ピンクリボンキャンペーンに参加して(県民ボイス記事)
  乳がん検診の大切さ(県民ボイス記事)


午前( 10時開場、10時10分~11時45分 )      開会宣言「 ピンクリボンin 郡山」実行委員長
     来賓祝辞 郡山市長

   「乳がんについて正しい知識を身につけよう」
   ー 専門医による講義 ー
    検  診          二瓶 光博先生
                (日本乳癌学会専門医)
    診  断          松嵜 正實先生 (同)
    治  療          片方 直人先生 (同)
    患者さんから学ぶ   野水 整先生  (同)
特別講演( 15時~16 時 )
    「誇り高く、美しく」
     あけぼの会会長 ワット隆子さん
    (あけぼの会は日本を代表する乳がん患者さんの
     会です)
     閉会挨拶 「 ピンクリボンin 郡山」実行委員
乳がん検診受診率向上市民会議
     ( 10時~17時 )

     乳がん検診施設情報、パンフレット、
     ピンクリボングッズ、アンケート

乳がん啓発市民会議( 10時~17時 )
     乳がん患者さんの支援
     (ウイッグ、下着、リハビリ、保険、遺伝子検査、
     医療経済サポートなど)

乳がん患者さんの集い( 10時~17時 )
     乳がんおしゃべりカフェ
     (リンパマッサージ体験、相談コーナーなど)
     担当: 看護師、理学療法士、患者さんボランティア

乳がん患者さん用かつら、
     下着の試着コーナー(予定)

- なかまち夢通り「うすい」前 -
● マンモグラフィ検診バス見学会
     10/20(土) 13:00 ~ 16:00
     10/21(日) 10:00 ~ 16:00
● ピンクリボン募金活動
     10/21(日) 10:00 ~ 16:00
● 足湯 10/21(日) 10:00 ~ 16:00
● ストリートライブ
     10/21(日) 13:00 ~ 13:30
     ビートルズコピーバンド「BSE」  ※小雨決行
● フラダンス
     10/21(日) 13:40 ~ 14:10
     えみフラスクール  ※小雨決行

- うすい百貨店 -
●「ピンクリボンin郡山」パネル展
     10/2(火) ~ 21(日) 10F エスカレーター横
● 安積高校弦楽合奏部演奏会
     10/21(日)11:00 ~ 11:30
    1F サービスカウンター横

(ピンクリボンin 郡山 プログラム)