情報誌「医療人」®

今月の医療人紹介

(2015年10月1日掲載)

公益財団法人寿泉堂綜合病院
歯科口腔外科 部長 小板橋 勉 氏


地域の二次歯科口腔外科機関としての役割【Ⅰ】
-口腔がんの診療-

 地域の歯科診療所から年間平均1,700名の紹介患者さんが来院する寿泉堂綜合病院(郡山市)の歯科口腔外科は、地域の歯科口腔外科二次医療機関として顎、舌、口唇、唾液腺等の口腔内諸疾患(歯科疾患含む)及び先天性疾患を専門とした診療を行っている。今回は、同科部長の小板橋勉先生に口腔がんを中心とした話を伺った。日本人の頭頸部がん(口腔がんは頭頸部がんに含まれる)は全癌腫の5%程度といわれているが、治療となれば口腔という摂食や発音、コミュニケーション等のQOL(Quality of Life)を左右する重要な器官であることから機能障害や整容性の問題が深刻だ。出身地でもある福島県で研鑽を積んだ小板橋先生は「少しでも地域の方々のお役に立ちたい」と地域の歯科医療向上を目指し、大都市の歯科口腔医療に勝るとも劣らない専門的な治療に積極的に取り組んでいる。


地域の中核施設としての歯科医療
寿泉堂綜合病院では2012年から歯科口腔外科の診療に特化しているそうですが、地域の二次歯科医療機関としてどのような診療を行っているのでしょうか

 当科は、地域の歯科口腔外科の二次医療機関として、現在93件の歯科診療施設と病診連携体制を整え(2015年10月現在)、より詳しい検査を必要とする方や歯科診療所では治療が難しい疾患の方について、紹介状による診療を行っています。口腔は身体全体から見ると小さな部位ではありますが、診療の領域は非常に幅広く、歯牙の損傷や顎骨の骨折等の外傷、炎症性疾患、抜歯、口腔悪性及び良性腫瘍、奇形等、口腔内のあらゆる問題に対応しています。特に専門的な治療や手術治療の際は他科との連携が重要になりますので、総合病院の一診療部門という強みを生かし、連携を一番大事に考えながら治療にあたっています。地域の歯科医療については、当院が所在する郡山地区にはたくさんの歯科診療所がありますが、二次歯科医療機関は非常に少なく、当院が担う医療圏域の中には全く整備されていない地域もあります。そのため、北は二本松市から南は白河市よりさらに南の地域まで当科でカバーしている状況にあり、私たちは常にその役割の大きさや重要性を感じながら診療を行っています。


近年、口腔疾患と全身の健康についての関係が注目されるようになり、口腔ケアに対する意識が高まっていますが、こちらではいかがでしょうか

 当院では、口腔機能の向上や維持・口腔疾患予防のため、病院をあげて口腔ケアに取り組んでいます。最近では、口腔ケアの重要性が入院患者さんに限らず外来患者さんにまで行き届いていることが感じられるようになり、非常に嬉しく思っています。
 口腔機能の低下は全身の健康に影響を及ぼし、QOL (Quality of Life)の低下につながります。「歯」を失うことになれば咀嚼力は格段に下がり、食べる楽しみの喪失になるばかりでなく、近年では歯周病原因菌が嚥下性肺炎(※1)の1つの原因になることや、糖尿病の症状を悪化させるともいわれています。他にも歯周炎と心疾患や脳血管疾患との関連性が指摘される等、様々な病気との関わりが考えられています。そうしたことから、今後ますます口腔も含めた健康意識向上を図る取り組みが必要になると思いますので、当科でも患者さん向けの公開講座等も含め、引き続き力を入れていきたいと思っています。




口腔疾患の診療
口腔がんの検診はあまり身近ではないように感じますが、早期発見のために取り組まれていることはございますか

 日本人の頭頸部がんは全癌腫の5%程度ですが、高齢化社会の進展に伴い口腔がん(舌・歯肉・口底)も増加傾向にあります。日本人の好発部位は舌や歯肉(歯茎)といわれ、舌がんについては舌側面の両サイドが発生しやすい部分です。部位による罹患患者数は医療機関によって異なりますが、当科を受診される患者さんには舌がんと歯肉がんが多く、同数位いらっしゃいます。発症原因等も含め未だ解明されていないことが多いのですが、歯や入れ歯にぶつかる等の機械的刺激を受けやすいことや、喫煙習慣等が誘因として挙げられています。
 口腔がんは、病理組織学的にほとんどが扁平上皮癌なので、視診や触診で分かり易いところもありますが、明らかに視診で見分けられる状態になると進行している可能性は高くなります。そのため、何としても初期または早期癌の段階で診断し、切除部分の極力少ない手術治療によって治癒を目指すことを心掛けています。そのような想いから、私たちは病診連携先の先生方を交えた定期的な勉強会を実施したり、所属している郡山歯科医師会からお声掛けいただいた際には会員様向けに講演を行ったりしながら、早めの受診を呼びかけるようにしています。また、福島県歯科医師会では、入会している歯科診療所を対象として、口腔がんの早期発見を目指す検診システムの導入を推進しており、私もその委員を務めています。具体的には、専用の問診票に沿って診療所の先生方に患者さんの状態をチェックしていただき、その診断の結果として疑わしい症状のある方を二次歯科医療機関に紹介していただくようなシステムです。口腔がん検診は、現状ではまだシステマティックな検診ではありませんので、引き続き啓発に力を入れていかなければいけないと思っています。ただ、最近は口腔がんの前がん段階(前癌病変、前癌状態)で紹介状をいただくことが非常に増えましたので、そういう意味では診療所の先生方に早期受診の必要性が浸透してきていることを感じています。今後も地域の先生方との連携を密にしていきたいと思います。





口腔がんの前癌病変や前癌状態にはどのようなものがあるのでしょうか。また、私たちが注意したほうがよい症状があれば教えてください

 一番気を付けて欲しいのは口腔内にできる潰瘍です。例えば、丸い潰瘍ができてなかなか治らないときは注意が必要で、私たちは初診から1~2週間ぐらい診ても治ってこない場合、細胞診や組織診を行うことがあります。口腔がんの前癌病変と呼ばれる中で分かり易い例としては、口の中が白くなってくる、いわゆる口腔粘膜が厚くなった状態がみられます。これは臨床的な名前では白板症と呼ばれています。前癌状態については、元々はかゆみを伴って皮膚に生じる角化性病変として知られている扁平苔癬が口腔内に生じる口腔扁平苔癬という状態があります。これは口腔粘膜に白いレースのカーテンのような角化が見られ、びらん等の様々な病変を伴う慢性の炎症性病変です。それがピリピリとしみるような場合には注意が必要です。それらの状態の程度については未だ明確でないため、診断では歯科医の経験則で診ていく部分も大きいのですが、同時に潰瘍ができてきたり、出血が見られたりする場合は放置しているとがん化する可能性のある部類と言えますので、気になる症状があれば一度かかりつけの歯科診療所を受診していただきたいと思います。
 また、私たちは歯肉がんの診療を得意としているのですが、歯肉がんの症状は歯茎のただれ等いわゆる歯周炎と似ていることから見分けるのが難しいものです。中には視診で見えない部分に発生していたり、画像診断でもはっきりと確認できないタイプもあるため、私たち口腔外科医でも苦渋することがあります。実際に重度の歯槽膿漏、いわゆる歯周炎と診断されて抜歯したところ、実はがんであったことが判明するケースも珍しくありません。しかし、歯肉がんは骨膜等の隣接する組織に進展する等、骨との関係が絡んできますので、私たちの診断の目は重要なところだと思っています。口腔領域での診断には視診及び触診が重要ですが、他の領域と同じように今はCTやMRIなどの画像診断と合わせて整合性を図り、トータルでの診断を心掛けています。当科では、初診の段階から歯肉がんを疑いながら軟膏等で経過を診ていき、治癒しないような場合には組織診を行います。そこで細胞に配列の乱れや異型がみられない場合は薬物療法等で診ていき、多くみられる場合にはがん化する前に芽を摘むことを目標とした手術治療を行うこともしています。その段階の手術であれば切除部分も小さく、その後の日常的な刺激にさらされる心配が無くなります。
 口腔疾患の前癌病変や前癌状態で受診された患者さんのうち実際にがんと診断することは少なく、そこからがん化する確率も10%未満なのですが、それでも患者さんの中には口腔扁平苔癬を5年ぐらい放置してしまい進行がんになってから受診されるような方もいらっしゃいますので、私たちはがんの診断について的確かつ厳しい目で診断することを心掛けています。


再発を繰り返す良性腫瘍があるそうですが、良性でもがん化の心配はあるのでしょうか

 良性腫瘍であっても再発を繰り返すようなタイプの疾患もあります。そのようなタイプは歯に由来する(歯原性腫瘍)もので、主に顎骨の中に発生します。代表的なのはエナメル上皮腫や角化嚢胞性歯原性腫瘍と呼ばれる腫瘍で、無症状のうちに徐々に大きくなり、10代ぐらいになって歯科治療で画像を撮った際に偶然みつかることがあります。そのような歯原性腫瘍は、転移をして悪影響を及ぼすことはないのですが、再発しやすいという特徴を有している場合も少なくありません。また、子供のうちに何度も腫瘍が再発して治療を繰り返しているうちにがん化してしまった例もあります。良性腫瘍でもしっかりと治療を受けることが大事です。



口腔がんの治療
根治的な治療を目指す中でも整容性や機能障害を考えると治療選択に迷われる方もいらっしゃるのではないかと思います。どのような治療が行われているのでしょうか

 当科では、口腔外科として手術療法に主眼を置き、その可能性を第一に考えながら患者さんの希望やQOLを考慮した最良の治療を検討していきます。ただ、手術治療を優先的に考えて希望されても、全身状態から手術が困難な患者さんや、整容性や機能障害を気にされて手術を拒まれる患者さんもいますので、そこはご本人やご家族の意向を第一に考えながら手術療法、化学療法、放射線療法を使い分けた治療を検討していきます。

早期がん(StageⅠ~Ⅱ)
 口腔がんは、ステージⅠ期(最大径が2cm以下の腫瘍、所属リンパ節転移なし、遠隔転移所見なし:UICCのTNM分類・病期分類より)やⅡ期(最大径が2cmを超えるが、4cm以下、所属リンパ節転移なし、遠隔転移所見なし:UICCのTNM分類・病期分類より)といわれる早期がんであれば治癒する確率は高いのですが、進行している場合でリンパ節に転移していると予後はよくありません。転移については、頸部リンパ節を伝って肺に飛びやすいという特徴がありますので、まずはそうしたことを疑って診ていく必要があります。特に舌がんや歯肉がんのうち上顎に発生したものについては頸部リンパ節に転移しやすく、そのようなタイプは経験則から予後がよくないイメージを持っています。また、歯肉がんで周りの骨に入り込んでしまうと短期間で転移してしまうので、私たちも注意深く診ています。
 手術治療については、頸部リンパ節への転移を疑うあるいは認める口腔がんに対し、がんとリンパ節を合わせて切除していく拡大手術を得意としており、形成外科とのチームで取り組んでいます。進行した口腔がんは、どうしても手術による切除範囲が大きくなってしまい、舌や歯茎、頬を半分切除しなければいけないこともあるため、整容性や機能障害の問題は深刻です。そのため形成外科の先生によって、切除した部分に患者さんご自身の筋肉や皮膚を移植して血管と血管を吻合する再建術や、切除した顎骨を再建してインプラント等で咬む機能や審美性を戻していくような治療を行います。ご自身の身体からの移植でもつっぱり感や瘢痕(ここでは手術後に残る傷あとの意味)ができることもあるのですが、二次、三次的に手術を行うことで元の形に近づいていくのを見ていると、今の形成外科の治療技術は非常に高く、昔に比べて整容性が保たれるようになっていると思います。また、術後からはリハビリ科が中心となって口腔機能を回復させる訓練を行っていきます。


化学療法や放射線療法も得意とされているそうですね

 化学療法については、通常の静脈から行う静注化学療法以外に、動注化学療法を導入しています。頭頸部がんは動脈から直接抗がん剤を注入することのできる場所の1つで、動注化学療法とは口腔がんにおける腫瘍栄養血管となる外頸動脈に直接的に抗がん剤を投与する方法です。直接注入することで少ない投与量で済みますので、全身への負担が多少軽減されます。治療の対象となる部分は舌、頬粘膜、上顎(上顎歯肉)に限られてしまうのですが、がんを縮小させることに非常に効果がある治療で、手術療法が難しい患者さんに対する選択肢の1つとして施行することも多くなっています。そうしてがんが縮小すれば手術治療が可能になることもありますし、続けて放射線療法を行いながら治療を進めていきます。
 放射線療法については、当院では強度変調放射線治療(IMRT)と呼ばれる照射方法によって、病巣へのピンポイント照射が可能なトモセラピー・ハイアート・システム(TomoTherapy Hi-Art treatment system)という放射線治療装置を導入しています。この治療は頭頸部がんも含めた全てのがんに保険が適用され、正常な組織への線量を極力抑えた治療を行うことができます。導入から5年目になりますが、がん組織の消滅した症例もあり、非常に良い感触を持っています。
 口腔がんの治療での入院期間は、手術療法の場合はだいたい2週間~1ヵ月半ぐらい、化学療法や放射線療法の場合は2ヵ月~3ヵ月となります。他の領域に比べて食事のサポートとの兼ね合いから入院期間が長くなってしまうのですが、その間は24時間の看護サポートに加え、私たち担当医師が毎朝必ず患者さんの状態を診ながらコミュニケーションを図ったり、訓練を兼ねてリハビリスタッフと会話する時間を作ったりしながら、患者さんのストレスを少しでも軽減できるように努めています。そのようにして口腔外科では、診断から術後まであらゆる診療科からサポートを受けながら診療を進めていきますので、今後も他科との連携を大事にしていきたいと思っています。


 

薬剤性顎骨壊死の診療
近年、薬剤性顎骨壊死が注目されていますが、先生のところにも受診される患者さんはいらっしゃるのでしょうか

 骨壊死とは骨の働きがなくなってしまうということで、骨粗鬆症の治療やがんの骨転移に有効とされる骨吸収抑制製剤(Bone-Modifying-Agents:以下、BMA製剤)による治療中に顎骨壊死が起こることがあります。BMA製剤による発症報告は、2003年に海外で同製剤のうちビスホスホネート製剤(以下、BP製剤)の投与者に発生したと報告されたことが初めてなので、発症原因や顎骨のみに壊死が起こる理由などは未だ明確ではありません。ただ、BMA製剤が顎骨のリモデリング(※2)のサイクルの異常を起こし、そこに口腔細菌の感染などが加わって壊死を起こすのではないかと考えられていて、いわゆる恒常性維持機能が低下してしまうことで起こるのではないかといわれています。最近では、BP製剤に限らず様々な薬剤による発症が報告されています。
 当科は二次歯科医療機関なので患者さんが集まりやすいということはあると思いますが、私が着任してから7年間の統計では30症例ありました。今年度の数字はまだ出していませんが、さらに10症例程度は追加されると思います。
 BP製剤の投与による顎骨壊死は、『 1)がんに対する化学療法、ホルモン療法  2)副腎皮質ステロイド薬の使用  3)抜歯、歯槽膿漏に対する外科的な歯科処置  4)局所(あご付近)への放射線治療 』(平成21年5月 厚生労働省公開の重篤副作用疾患別対応マニュアル ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死より引用)の治療を受けている場合に発症しやすいといわれていますが、全ての人に起こるわけではなく全体の発症率は0.03%ぐらいといわれています。当科の統計では、発現部位として下顎骨が多く、発現までの期間は注射薬で29.2ヵ月(5ヵ月~77ヵ月)、経口薬では54.5ヵ月(7ヵ月~132ヵ月)となりましたが、その期間については投与中の患者さんの抜歯を行うことで可能性が高くなるといわれていますし、糖尿病患者さんは発現しやすい等、色々な要因が絡んできますので一概には言えません。
 当科でも、口腔がんが骨転移して骨がどんどん溶けて高カルシウム血症となるような場合にはBP製剤を使用しますが、顎骨壊死は一度発現してしまうと痛みが強く症状が重篤なので一気にQOLを下げてしまうことになります。そのため、製剤の使用や投与を中止については、その都度メリット・デメリットをしっかりとインフォームド・コンセントした上で決定しています。


先生のところでは顎骨壊死に対してどのような治療が行われているのでしょうか

 私たちは、下顎骨骨髄炎という顎骨骨髄炎の手術に準じて、とにかく悪い部分は除去して新しい良い骨を出してあげる治療を行っています。現状では薬剤の再使用による再発等までは経過をみられていませんが、印象としては一度壊死してしまった部分を除去する治療は非常に効果的だと感じています。また、手術治療が困難な患者さんに対しては、痛み止めや抗生剤等の抗菌薬で対症療法的に押さえていく治療等、ご本人やご家族の意向に沿った治療を行っています。私たち口腔外科の歯科医は、顎骨壊死が起こってしまった患者さんの治療が中心となるため予防の面で関われることは少ないのですが、当科で紹介を受けることが多い疾患なので、今後も引き続き注目していきながら地域の診療所の先生方への情報提供を行っていきたいと思っています。



※頼れるふくしまの医療人では、語り手の人柄を感じてもらうために、話し言葉を使った談話体にしております。

次号では、引き続き小板橋勉先生の記事を掲載いたします。
地域の二次歯科口腔外科機関としての役割【Ⅱ】
-口唇口蓋裂の診療-




プロフィール
小板橋 勉 氏 (こいたばし つとむ)

役  職 (2015年10月1日現在)
 歯科口腔外科部長

出  身
 福島県

卒業大学
 奥羽大学歯学部(平成8年卒)

得意分野・専門
 口腔腫瘍に対する治療  

資 格 等
 歯学博士
 日本口腔外科学会専門医・指導医
 日本がん治療認定医機構暫定教育医(歯科口腔外科)

所属学会等
 日本口腔外科学会
 日本癌学会
 日本口腔診断学会
 日本口蓋裂学会
 アジア口腔顎顔面外科学会

経  歴
 平成8年  3月  奥羽大学歯学部卒業
 平成8年  4月  奥羽大学歯学部附属病院 口腔外科臨床研修医
 平成9年  9月  藤枝市立総合病院麻酔科勤務
 平成11年 4月  奥羽大学歯学部附属病院 口腔外科勤務
 平成20年 4月  寿泉堂綜合病院 歯科口腔外科着任  




公益財団法人寿泉堂綜合病院

〒963-8585
福島県郡山市駅前1丁目1番17号
TEL:024-932-6363(代)
FAX:024-939-3303
URL:公益財団法人寿泉堂綜合病院ホームページ







◆用語解説◆

※1 嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)

飲み物や食べ物、だ液を食道に送り込む嚥下反射が正常に機能することでそれらが気管に入り込むのを防いでいるが、その機能の低下や機能に障害が起こることで、それらは肺に入り込んでしまう(誤嚥)。通常は仮にそのようにして誤嚥が起きても、咳反射という機能によって肺から吐き出す仕組みになっているが、その機能が低下すると吐き出しが困難になる。そうして誤嚥が原因となり肺に侵入した細菌が増殖することで引き起こされる肺炎のこと。

※2 骨のリモデリング

【休止期 → 吸収期(破骨細胞による骨吸収)→ 逆転期 → 形成期(骨芽細胞による骨組織の形成)】の一連の活動のこと。破骨(骨を破壊する)細胞によって骨吸収が起こり、その吸収された部分に骨芽(骨を新生する)細胞によって新しい骨組織が形成(骨形成)される。
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