医療人材育成支援

次世代の医療者へ

医療にかかわる仕事は、世のため人々のためになる職業の一つとして、社会の一端を担っているとてもやりがいのある仕事です
先生は病院の歯科口腔外科に勤務されていますが、地域の歯科診療所とは違いがあるのでしょうか? 
 歯科医師の勤務先はさまざまで、大きくは病院の中の歯科や歯科口腔外科と、地域で開業している歯科診療所に分かれます。そのうち病院の歯科口腔外科では、地域の歯科診療所と同じようにむし歯の治療なども行いますが、診療所では扱えないような口腔内の病気や顎の病気など専門的な治療も提供しています。口腔は身体全体から見ると小さな部位ですが、私たちの診療の領域は非常に広く、特に専門的な治療や手術治療が必要な場合には他の診療科と連携した治療を行っています。
point!昔から薬剤師は、薬(化学物質)を扱うことができるため「まちの科
学者」と呼ばれ、人々のすぐそばで健康を守る頼もしい存在でした。
プロフィール
【口腔内の病気、顎の病気】
「 口腔機能の低下が全身の健康に影響する?」 成人の口腔内には、多い人で700種類ぐらいの細菌が生息しているといわれています。細菌と言ってもそれらすべてが悪影響を及ぼすわけではありませんが、さまざまな病気や加齢にともなう身体の免疫機能低下や口腔内環境の悪化などの悪条件が整うと、普段は問題なく口腔内に生息している菌が急に悪く作用することがあります。さらにそうして口腔機能が低下することで全身の健康に悪影響を及ぼすことがあり、最近の研究ではさまざまな病気との関わりが指摘されています。そうしたことから私たち口腔外科医は、口腔内の健康を守りながら、全身の健康を見守っています。 
先生は中学生の頃から歯科医師を目指されていたのでしょうか?
 「医療にかかわる道に進みたい」という漠然とした思いは持っていました。それで最初は歯科医師ではなく医師になりたいと思っていたのですが、高校に進学していろいろなことを考えていくうちに目標が定まり大学の歯学部を目指しました。そして在学中に病院の歯科口腔外科で専門的な歯科治療に携わりたいと思い、この道に進みました。今考えると中学や高校時代の私は信念が弱い方だったと思うのですが、それでも「医療にかかわる道に進みたい!」という思いを大事に持ち続けていたので、そうしたことが目標を達成するには大事なことだなと思います。
歯科医師になって良かったと思うとき ありきたりですが、初診時にとても辛そうな表情で来られた患者さんが、治療を終えて笑顔になってくれた時、それが一番うれしい瞬間です。また、地域のみなさんや当院に紹介してくれる開業医の先生方に「寿泉堂綜合病院の小板橋のところに行くと解決するよ」と言ってもらえるのは嬉しいことです。
 勉強はもちろん大事ですが、勉強一辺倒ではなく部活動を行ったりしながら周りの人たちとコミュニケーションを図ることも大事にしてほしいと思います。社会生活を送る中で、またどのような職業に就いても、自分の考えや思いを相手に伝えるため、また相手のそうしたことを知るためにコミュニケーション力は必要になります。ですからその力を養うために若いうちから積極的にいろいろなことに参加したり、経験を積んでほしいと思います。また、そうした中では相手に対していたわりの心や感謝の気持ちを持って接することが大事だと思います。私も学生の頃はそういうことを全然わかっていなくて、親から「勉強しろ、勉強しろ」と言われることに頭にくるなと思うこともありました。でもそうした環境を親に与えてもらったから今の自分がいるのですからとても感謝していますし、今こうして仕事をさせていただける地域や病院の環境に対しても感謝の気持ちを持っています。医療にかかわる仕事は大変な面も多いですが、世のため、人々のためになる職業の一つとして社会の一端を担っている、とてもやりがいのある分野だと思います。